肥料のこと
基本方針として、肥料は木の皮「バーク」と菌資材。
化学肥料は使わないでいます。
化成肥料をつくるには工場をそのためだけに動かすことが多いのではないかと思います。一方バークは、チップをつくって製紙会社に売っている会社さんの廃棄物。
森の木を切っているには違いないのだけど、現実の生活に組み込まれているという点で、後者の方が地球となかよし路線なのではないかと判断しています。
化学肥料なしでもブルーベリーが至って元気でいられるのは、ブルーベリーだからこその秘密があるのです。
【ブルーベリーの秘密】
『ブルーベリーの適正pHは4.5~5.5程度』とよく書かれています。
ほうれん草が芽が出てもよく育つことのない、酸性土壌を好みます。
他の植物が育ちにくい酸性のなか、どうしてブルーベリーは嬉々としていられるのか。
その秘密は根っこにあり。
根っこに菌類を住ませて共生関係をつくっているのです。
植物のエネルギー源は主に2つ、地面の下からと地面の上から。
地面の上でのエネルギー源については主に光合成とされていて、割と解明されている。
いっぽう、地面の下に関しては、『土』と表現される鉱石やら微生物やら複雑な要素が絡み合う物体のおかげでまだまだ未知数。
でも全体的に、植物の根っこというより、植物の根っこが作り上げる「菌根圏」と言う王国の豊かさが大事っぽいと言うことがわかってきている。
王国の国土は土壌、インフラは根っこ、国民は菌類の皆さまという一大帝国。
雑草の菌根圏はまぁ見事なものです。
さて、ツツジ科スノキ属に属するブルーベリー。
高山植物にも多いツツジ科、根っこにエリコイド菌類という糸状菌(キノコの仲間)を住まわせて、依存ではなく共生関係を築いているそうです。(参考: https://is.gd/HPRmTx)
前オーナーさんや他の生産者さんにきいたところ、バークだけで他一切肥料なしの農家さんもいるとのこと。
それもそのはず、北欧のブルーベリーの自生地は、きのこ🍄が生える針葉樹の森なのだそうです。
(追記)
Blueberry1st.の畑にも、着実にきのこ🍄が増えています、うれしい。
下のブルーベリーの栄養素一覧をご覧ください。
他の植物に不向きな土壌と、太陽と空気と水。
根っこ国民の協力で実る、素敵な脂溶性ビタミンと美味しいアミノ酸たっぷりの果実。
大地の資源をその身を通して別の物質に変えて、食物連鎖の次の生き物にバトンパス。
視点を変えると、実は私たち人間も同じことしてて、みんな地球の一員だと思い出させてくれる。
初めてこの事実に氣がついたとき、ブルーベリーは世界の縮図か、と思いました。
そして人間より相当コンパクトな細胞の数で、単純な分子からアミノ酸や脂質つくっちゃう菌類はマーベラス、世界の土台。
太陽はどうにもできないから、せめて水と木の皮は豊富に。
あとは大地をととのえていこう。
2021 Blueberry1st.
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